第一章:発症 (No.20)
- 2015/11/29
- 19:30
『脳室ドレナージ』という 脳に注射針のような管を刺して液体を体外に出す手術は、結局取り止めとなった。肺炎により発熱しているので 手術を引き延ばしにしていたのだが、そうこうしているうちに脳内の出血も水頭症もすっかり治まってしまったのだ。肺炎は兎も角、脳の状態が安静したことは、恵祐も美和子も嬉しかった。次郎が左半身麻痺、嚥下障害、構語障害、右空間無視という障害を負ったものの、これ以上の障害を被らなくて何...
目標達成の原則 ~ 修正する ~
- 2015/11/27
- 19:00
今回の『目標達成の原則』は、その6の 修正するです。懸命に実行をしても上手く行かない事があります。基、正確には、上手く行かない事の方が多いのです。真面目に、一生懸命、不眠不休で努力しても、結果に表れない事の方が多いという意味です。なんと無情な事でしょう。しかし、へこたれてはなりません。そして この時こそ、目標を修正する勇気が欲しいのです。全国にチェーン展開する大手の飲食業でさえ、全店が黒字ではありま...
第一章:発症 (No.19)
- 2015/11/25
- 17:30
脳出血の患者が ICU 集中治療室を出るという事には、ふたつの可能性がある。ひとつは、患者の状態が良くなってきて、もうそこに居る必要が無くなったということ。もうひとつは、後から救急搬送されて来た他の患者数が、ベッドの数を上回ったということ。次郎場合、どうやら後者の様子だった。というのは、恵祐と美和子が5階に有る脳神経外科病棟を始めて訪ねたとき、父親の次郎の “装備” は変わらなかったからだ。右視床での出血...
勤労感謝
- 2015/11/23
- 15:30
11月23日の本日は、勤労感謝の日です。世の中のために働かれている方々に 感謝したいと思います。どこに行っても そして何時でも、勤労されている方々のお陰で 私は素晴らしいサービスや快適に満たされます。自分だけの力では、この快適な暮らしはあり得ないのだと感じます。私は二十代の頃、サラリーマンをしていました。当時にも勤労感謝の日は有ったのですが、愚かな青年であった私は 感謝する気持ちに欠けていました。ですか...
目標達成の原則 ~ 実行する ~
- 2015/11/21
- 17:00
今回の『目標達成の原則』は、その5の 実行するです。『目標を達成したいのなら、幾つかの原因を創りましょう。原因を自分で創らなければ 目標は達成できません。』と、幾つかの原因を挙げてきましたが、今回は『実行する』です。実行しないと目標は達成されないのは、誰だって分かっている事です。しかし、正しい目標を設定し 計画を立て、「さあこれから頑張るぞ!」という時に、やる気が失せることは無いでしょうか。熱望してい...
第一章:発症 (No.18)
- 2015/11/19
- 19:30
恵祐が胃ろうについて調べていると、突然に電話が鳴った。家に備え付けの電話が鳴る時、受話器を上げるのは大抵母親の美和子だった。その理由は、恵祐が自身の連絡先を 友人にも勤め先にも携帯電話の番号にしていたからだ。結果として家の電話に掛けてくるのは、美和子の知り合いか親戚筋だけとなっていた。だから、電話が鳴ったら美和子が取るのが、家族の当たり前になっていた。しかし、父親の次郎が倒れてから、美和子のベルに...
目標達成の原則 ~短期と長期の計画を立てる~
- 2015/11/17
- 17:30
今回の『目標達成の原則』は、その4の 短期と長期の計画を立てるです。「計画を立てるのは 当たり前ではないか」という声も聞こえて来そうです。仰るとおりで、目標を達成するために、計画をするのは当たり前です。しかし、今までお話ししてきた『目標を明確にする』、『内容を個性化する』をしていながら、計画を日々意識しない事で上手く行かない方が多いのです。なぜかというと、計画が無い場合、潜在意識は 疲労と苦難を強めに...
第一章:発症 (No.17)
- 2015/11/15
- 18:30
6月3日、恵祐は定休日だった。午後から母親の美和子と共に父親の見舞いに行くことになったので、午前中は胃ろうについてインターネットで調べてみた。担当医からもらったプリントにも胃ろうの説明は有り、漠然とではあるが理解出来てきた。つまり、胃ろうとは、お腹側から穴を開け、胃壁を貫通させる。そこに『胃ろうカテーテル』というチューブを差し込んでおく。胃ろうカテーテルは常に設置しておいて、普段は栓をしておく。食...