その55 『 若しくは … という展開法 』
- 2016/06/09
- 21:00
◎ ナンバー1 販売員に成るために
~ 潜在意識を利用した成功術 ~
今回は “言い回し” に関するお話しです。
私が勉強させていただいているアパレル販売のお店で、あるナンバー1 販売員の方は こういう言葉を多用しています。
それは、「若しくは」(モシクハ) です。
例えば、お客さんがAという商品を希望したとします。「新作のAは 入っていますか?」と聞かれるわけです。
この時、Aという商品の在庫が有れば ラッキーです。 瞬時に売上げとなるでしょう。 このお客さんには目的とする商品が有るので、右から左に話しが進みます。 3分後のあなたは、にんまり笑顔で「ありがとうございました」と言っているかもしれません。
ところが 世の中、全てが上手く行くとは限りません。
お客さんが Aが欲しいと言うのに、それが無い場合があります。 在庫切れだったり 入荷待ちだったりして。
希望する物が無い時に、「それは有りません。申し訳ございません」で終わらせては駄目です。
なぜ、駄目なのでしょうか。それでは販売にならないからです。当たり前の話しですね。
そして もうひとつの駄目な理由は、お客さんをガッカリさせるからです。
お客さんがガッカリしてしまうと、「また買いに来たい」という意欲が薄らぎます。
次回も来てくれなくなってしまった最悪の場合、損失は今回のAの金額だけではないとも言えます。
希望の商品が無い場合、無い事を説明して終わらすのではなく、展開しなくてはなりません。
大切なのは、販売者からの “展開” です。 アピールをして伝えることが大切です。
結論から言うと、Aが無いのなら、BやCを勧める展開を図ります。
Aが欲しいのに在庫が無くて 何も買わずに帰ったとき、お客さんの満足度はゼロかマイナスです。しかし、他の商品を買うことになれば、少なくともプラスの満足度でしょう。
さらに、BやCを見て触って、始めてその良さに気付く事もあることでしょう。
その場合には、始めの希望だったAの購入時より 満足感高まることもあるのです。
顧客が始めに選んだAではなく、あなたが勧めるBやCが売れたとき。
その時こそ、商品力よりも あなたの販売力が素晴らしかったと言えるのです。
あなたの販売力が 商品力を上回ったときを想像してみてください。
◎ ◎ ◎
ただ、この時に、相手がお客さんである事を忘れてはなりません。
“言い回し” を 選びたいものです。
失敗しがちな言い回しは、例えば、
「こちらのBの方が、お客様に お似合いかと存じます」
AからBに展開しているのは良いのですが、現代の多くの人が プライドがあるのを忘れたくはありません。
つまり、多くのお客さんは、自分の好みを 自分が一番理解していると思っているのです。
「自分の事は、自分が一番分かっている」そう思っている人が、現代の日本では多いのです。
そうではない事も多いと私は思いますが、そういう自覚の人が少なくありません。
「こちらの方が あなたには似合う」という言葉は、そういう顧客のプライドを否定する事に伝わるのです。
「これも良いですよ」「これは私も買いましたよ」「これが今売れていますよ」
こういう販売トークも良いのですが、お客さんを “主役”にしたストーリー展開ではありません。
「これも良いです」「これは私も買った」は、自分の主観を言ったり 自分の選択を発表しているだけです。お客さんは、他人の主張や好みなど 知った事ではないのです。
「これが売れています」は、流行を紹介しているわけですが、流行りの商品そのものを欲しい顧客ばかりとは限りません。みんなと同じ服になる事を嫌う人も居るでしょう。
そこで「若しくは …」という展開です。
「若しくは、こちらもお似合いかと存じます」と言いながらBやCをアピールします。
“若しくは” という言葉は、Aを選んだお客さんのプライドも立てつつ、他の商品をアピールできます。
お客さんのセンスを100%認めている気持ちを伝えながらも、他商品への展開が出来るわけです。
お客さんは、認められる事で 気分が良くなります。 販売者に好感を持ちます。その好感は、新たに紹介される商品の魅力を高めます。
話し言葉で1秒も掛からない「若しくは …」を接頭語のように使うだけで、お客さんの選択センスも立てられます。 他の商品も魅力を高めて展開できます。
「若しくは」と同義語に「あるいは」というのも有ります。
あるいはでも良いのですが、言葉が硬いです。 あるいはの「あ」は 母音ですが、母音で始まる言葉は、鋭利な印象となりがちです。
今回のパターンでは、Aが在庫に無くて 多少なりとも残念に思っているお客さんに配慮しています。「若しくは」ならば、「も」という子音で始まっているので 柔らかく伝わるのです。
場合によっては、例えばここぞと言うときに少し大きい声で「あるいは!」もありかもしれません。
臨機応変に、「若しくは …」と「あるいは!」を使い分けてください。
◎ ◎ ◎
衣料品の販売は、ボケッと立っているだけでも ある程度は売れます。
お客さんから聞かれたら、ちょうど良いサイズを出してあげたりする。それでもある程度は売れます。
最近は、店員から声を掛けられる事が嫌なお客さんが増えているので、そういう指導をしている会社もあるのでしょう。私が店内に入って品物を見ていても 完全無視をするカジュアルウエアのお店も有ります。
しかし、そういう指導をする会社側は、顧客心理を読み間違えています。
お金を持っているお客さんは、売り付けられるのを嫌がっているわけではないのです。
自分の買い物をする時間を邪魔されたく無いだけなのです。
邪魔される言動の一つに、自分の選択センスを否定されるというのがあります。
販売側が、顧客のプライドを立てつつ 商品をアピール出来てこそ、お金を持っている人は気分良く購入します。
お客さんを否定するのも 完全無視するのも、購入意欲を導いているとは言えないのではないでしょうか。
そして、なにもしなくとも成立する仕事を続けていると、仕事がつまらなく成ります。
自分の毎日を幸せにする為にも “若しくは …” を活用されてはいかがでしょうか。
大切なあなたが 幸せでありますように。
相談屋さん カフェカウンセリング 横尾けいすけ
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