その61 『 接客を知らないラーメン屋さん 』
- 2016/08/01
- 20:00
◎ ナンバー1 販売員に成るために
~ 潜在意識を利用した成功術 ~
のっけから不景気な話しで申し訳ないのですが、最近 またラーメン屋さんが閉店しました。 私の地元で立て続けに3軒の閉店。 ラーメン好きの私には痛い状況です。
あちこちのラーメン店に通っていると、「この店も長くなさそうだなあ」と感じることがあります。これでは倒産してしまうかもしれないなと私が感じるという意味です。
今回、何の告知も無く閉店した3軒も、長くないかなと私は感じていました。
◎ ◎ ◎
商売の成功は10年の継続と言われます。
創業時からの売上げのトータルが幾らであろうと、10年続けられれば成功。それ以下なら、1年でも9年でも同じ失敗という事になります。
なぜ10年なのか、理由は解明されていません。しかし 日本でもアメリカでも、そういう傾向があるのです。
この3軒のラーメン店も10年以内の閉店でした。最後のお店は、ぎりぎり10年に届きませんでした。惜しいので残念です。
残念ですが、予感はしていました。
その予感とは、このお店の経営は商品力だけを考えていて、人間力を考えていないなという事です。
◎ ◎ ◎
人は何故、ラーメン屋に行くのでしょうか。
表面的な理由は、美味しいラーメンを食べたいからです。 当たり前の話しです。
10年以内で閉店する不成功の店主も、そういう表面的な理由には気付きます。だから味にこだわるのです。
味という商品力を高めようと専念するのですが、ここに人間力の大切さを忘れる罠があります。
ラーメン店に限らず 飲食店の傾向として、開店したばかりの頃は賑わうのです。新しいお店には 多くの人が興味を持ちます。「試しに食べに行こう」と思うお客さんが集まるわけです。
試しに食べたら美味しかった場合、リピーターとなってくれます。また、ネットなどで良い感想を書き込んでくれるかもしれません。友達にも勧めてくれるかもしれません。
こういう口コミで、さらにお客さんが増えます。 店主も嬉しいでしょう。
ここまでは商品力による成果です。作ったラーメンの味で売上げが上がったわけです。
一部の店主はここで勘違いをします。「味で勝負だ!」と腕組みしてしまうわけです。
「味で勝負!」というのは、「ラーメン店の経営は 味で勝敗が決まる」という意味。
確かに味という商品力もあるのですが、人間力をなおざりにすると、10年以内倒産の罠にはまります。
開店時のお客さんが美味しいと感じ、口コミをしてくれる。この後の展開は “列をなす”です。
お店の前にお客さんが並んでくれるわけです。10分で食べきるラーメンを30分待ちでも列をつくって待ってくれるわけです。店主はまた喜ぶことでしょう。
喜んだとしても、「俺の味が良いから行列になったのだ」と勘違いしてはなりません。
それは間違いです。味が良いから行列ができるのでは無いのです。
行列に並ぶお客さんの中には、初めての人も居ることでしょう。この初めてのお客さんは食べた事がないのですから “俺の味が良いから”という理由は間違いだと言えます。
初めてのお客さんが来てくれた理由は、食べて良い口コミをしてくれた別のお客さんのお陰です。店主の商品力が優れているからではないのです。
お客さんのお陰で、さらにお客さんが増えたのだということを忘れてはなりません。
もうひとつ、顧客が行列に並ぶ理由があります。
それは、“みんなが並んでいるから自分も並ぶ”です。
特に日本人の若い人には、同世代の他人と 同じ事をしたがる人が多いのです。
友達がミニスカートを履けば 自分もミニスカートを履きたくなり、友達がスマホにすれば自分もスマホに興味を示す。今ならポケモンGOのヒットもその理由があるかもしれません。
みんなと同じだと、「変わり者」と言われないという安心感があります。その安心感が、みんなと同じ事物を好きにさせるのです。
ラーメン屋の行列も同じで、多くの同世代が並んでいるから並ぶ人が多いのです。
これはとっても危険なことです。
なぜなら、みんなが並ぶから自分も並ぶという人は、みんなが並ばなくなった時に並ばなくなるからです。それどころか空席があっても店に入らなくなります。
以前は週に何度も行っていたラーメン屋に行かなくなった理由をその人はこう言います。
「(味に)飽きたから」
でも、本人も気付いていない本当の理由は、飽きたからではないのです。みんなが並ばないからです。みんなが行かないお店だから自分も同じ事をしたくなるのです。
そういう顧客の潜在意識に気付かない店主は、今のスープの味を変えようとします。
お客さんが飽きたと言うのだから味を変えれば解決するのだと思うわけです。
流行りの味を探し、またもや「味で勝負だ」をしようとします。
そういう思い違いを繰り返し繰り返し、最後は閉店です。
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行列が出来たのは、お客さんのお陰だという事に気付いていないのです。
お客さんのお陰で 自分の成功が在るのだという事実を理解していないのです。
お客さんのお陰ということを本当に理解していれば、「いらっしゃいませ」と言う時に顧客の目を見るはずです。寸胴鍋や壁を見ながら「いらっしゃい!」と言っていないでしょうか。
お客さんのお陰ということを本当に理解していれば、カウンターで食べ終えたお客さんが どんぶりをカウンターの高い所にかたづけてくれる時に「申し訳ありません。ご協力ありがとうございます」などと言えないはずです。
これは、片付けてくれるお客さんは間違った行為をしていません。 忙しいお店への思いやりなのですから。
しかし、とても有り難いお客さんに片付けをさせるなど、客商売としてあり得ないことです。
「大丈夫です。そのままで結構です」と言うのが、お店側として当たり前です。
飲食店の中で、客が食べ終えた食器を片付けるのは ラーメン店とファーストフード店だけです。 同じようなカウンター席がある牛丼屋でも客が片付けたりしません。
(正確には片付けられないカウンターの設計になっています)
ファーストフード店に関しては便宜上そうしています。それがマナーとして社会的に成立しています。
でも、ラーメン店というのは ファーストフード店なのでしょうか。
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最近閉店した地元のラーメン屋さんに共通していたのは、いきなりシャッターが閉まっていたということです。そして何の告知の貼り紙も無し。
夜逃げするように廃業したお店もあるかもしれません。商売というのは大変です。
でも、そういう大変なときにこそ、人間性があらわになるものです。
もし、お客さんに思いやりがあれば、夜逃げをする直前にでも「今まで ありがとうございました」という告知をシャッターに貼りたいと思うのではないでしょうか。
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一方、20年も30年もやっているラーメン屋もあります。
お店もボロボロだし、味も古くさいし、値段もそれほど安くないし。
商品力はそれほど良くなくても10年以上続くお店があります。
そういうお店では、店員さんの人間力が素晴らしいです。
今度、10年以上続くラーメン屋に行ったら、店員さんの人間力を見つけてみてください。
大切なあなたが 幸せでありますように。
相談屋さん カフェカウンセリング 横尾けいすけ
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