映画『思い出のマーニー』で人間力アップ
- 2017/07/12
- 19:00
スタジオジブリのアニメ映画『思い出のマーニー』が今年もテレビ放映されます。
(本年7月14日(金) 21:00〜:日本テレビ系列にて放送)
また、DVDなども好評発売中です。


http://www.ghibli.jp/marnie/
思い出のマーニーには、『人間力を高めるには 何が必要なのか?』が描かれています。
まだご覧になっていない方は、是非どうぞ。
◎ ◎ ◎
ストーリーのご紹介です。
幼児の頃に孤児となってしまった杏奈は、当初、母方の祖母に育てられた。 その祖母は、西洋人の父を持つハーフで青い目をしていた。そして杏奈の世話をする年代になっても美しい外見と心を持ち合わせていた。 杏奈は幼くして両親を失っても、その祖母のお陰で幸せな日々を過ごすことが出来た。
しかし、その祖母も病に倒れ他界。物心ついた頃に杏奈は孤児院に送られる。
しばらく孤児院で過ごす杏奈だったが、やがて父方の叔母にあたる佐々木頼子が里親として申し出る。
佐々木の姓を名乗ることになった杏奈は、優しさあふれる頼子のお陰で 幸福な環境での生活が出来るようになるのだが、両親と祖母の死を理解し、そして孤児院での生活を思い出すたびに孤立感を高めてしまう。
12歳という多感な年代を前にして、その孤立感は人間不信へと変化し始め、里親である頼子を「おばちゃん」と呼び、クラスメイトとも距離を感じてしまう。
杏奈の心のメガネには妙なフィルターが入ってしまって、幸福な環境に恵まれているのが真実なのに、孤立感を常に感じてしまう。
夏休みを利用し、喘息の養生という名目で頼子の親戚の家を尋ねる杏奈だったが、この時も「おばちゃん(頼子)に邪魔にされて送られたのだ」と 歪んだ認識をしてしまう。
尋ねた家は、海辺の田舎町。 母親やクラスメイトとの “面倒な付き合い”から開放された杏奈は、好みの写生をしたり家の手伝いをしてゆったりとした生活を送る。
やがて杏奈は、海辺の湿地の向こうに立派な屋敷を見つける。 屋敷は古く 無人なのだが、杏奈の心のメガネには 屋敷に明かりが見え、そして室内には長い金髪で青い目をした女の子が見える。
その女の子は自らをマーニーと名乗り、杏奈と友達に成りたいと願う。マーニーとなら心が通いそうだと感じた杏奈は快諾し、二人は人気の少ない夕刻に逢うようになる。
マーニーには立派な両親が居るという事を聞いた杏奈は 羨ましいと言うのだが、マーニーはそれは違うと言う。両親は仕事の為に殆ど家に居ないため、マーニーは冷酷な家政婦と生活をしていた。その苦痛と孤独感をマーニーは杏奈に伝えるのだ。
そうこうしながら杏奈は、マーニーについての違和感に気付き出す。 昨夜華々しいパーティーが行われた屋敷は、翌日に見ると室内は廃墟だった。 また、マーニーは空中を浮くように歩く時さえある。 そして、マーニーとの別れはいつも記憶が無く、路肩で眠っていた時もあった。
そして杏奈は、マーニーが自分が創った想像の産物だと思うようになる。
◎ ◎ ◎
金髪で青い目をした美少女マーニーは、杏奈を育ててくれた祖母の子供時代だった訳ですが、皆さんはマーニーをどう判断したでしょうか。
杏奈のように、杏奈が幼い頃の記憶を頼りに想像したものだったと判断したでしょうか。 あるいは、杏奈を心配した祖母のマーニーが天国から現れ、杏奈を幸福に導いたと思ったでしょうか。
ここは最後まで謎のように感じられるでしょう。しかし、ちょっとしたヒントが映画では流されます。
確かに杏奈は「おばあちゃん」と呼んでいたであろう祖母との幸せな思い出を記憶の奥底に締まっていました。おばあちゃんが歌ってくれた鼻歌を皮切りにして思い出は蘇り、その面影もボンヤリと思い出すのです。
しかし、記憶にあるおばあちゃんは、マーニーのように全く綺麗な金髪ではなく、顔立ちもどちらかと言えば日本人の血が濃いように感じます。
目は確かに青いのですが、海辺の田舎町で逢っているマーニーとおばあちゃんとは外見がかなり違います。
一方、杏奈は気付きませんでしたが、今逢っているマーニーと非常に似た人形が映像では登場します。 それは祖母の葬式で、自分の孤立を理解した杏奈が部屋の隅で抱きしめていた人形です。その人形の後ろ姿しか映像では登場しませんが、それは正しく金髪であり、服装の様子さえもマーニーと似ていたのです。
つまり、杏奈をこの屋敷に導いたのは祖母であるマーニーかもしれませんが、マーニーの外見を創ったのは杏奈の記憶と創作です。 青い目は祖母と類似していますが、服装や髪の色は幼い頃に抱きしめていた人形の影響を受けて創っています。
こう考えるとマーニーは、杏奈が記憶を頼りに創った想像であり、起こった出来事も夢だったと成りかねません。
しかし、最後には杏奈の心の成長があったことを忘れないでください。
そして、夢を見ているだけでは、あるいは、想像しているだけでは心の成長は無いのだということを認識してほしいのです。
映画の冒頭から杏奈は孤立感を感じ、そして、自分自身も嫌っていました。
人間は、自分を愛せないと 真の幸福感は得られません。たとえ豊かな生活ができても、素晴らしい人々に恵まれても、幸福だと感じられないのです。 心のメガネのフィルターが、見る物すべての色を変えてしまいます。 これを不幸感が強い性格と言います。
杏奈は不幸感の強い性格になってしまいながらも、そんな自分を変えたいと心の隅で思っていました。
しかし、客観視が出来ないと、自分自身を成長させることは困難です。 見えていない自分を変えるのは難しいのです。 鏡を見たことが無い人が自画像を描くように、出来るものではないのです。
杏奈は、自分の想像の中にマーニーという他人を創り上げ、その他人を愛し許す事で客観視が出来るように成ります。
他人を愛しそして許す事が出来て、自分をも見る事が出来るように成ったのです。
◎ ◎ ◎
人間力を高めたい、つまり自己を成長させたいと思うのだけれど、なかなか成長出来ない人は居るでしょうか。
人が成長するには 何が必要なのか?それが分からなくなっている人は居るでしょうか。
成長には、崇高な指導者も 良い環境も 幸運もそれほど必要ありません。
大切なのは、他人と自分を愛することです。そして他人と自分を許せることです。
映画の始めの頃の杏奈のように、他人も自分も愛せず許せない人は、あなたの周りに居ないでしょうか。 その人は人間力が高いでしょうか。
全ての人を愛そうとか許そうとかしなくとも良いのです。
愛した人と許せた人が増えた分だけ、自分が一歩ずつ成長出来ます。
大切なあなたが 幸せでありますように。
相談屋さん カフェカウンセリング 横尾けいすけ
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