カルロス・ゴーンさんと平成の日本
- 2018/11/20
- 23:00
〜 顧客の夢を壊す経営者は成功しない 〜
# カルロス・ゴーン # 時代を読む # 平成 # 人間力 # 魅力 # カリスマ性
あのカルロス・ゴーンさんが、本日 “容疑者” “逮捕”と報道されました。
正確には、自身の役員報酬を5年間にわたり低く申告していることが内部告発によって発覚し、東京地検が逮捕したのです。
このような脱税に於いては、地検が動く前に 国税庁が追徴課税の勧告を必ずしますので、国税庁との議論があった後での逮捕でしょう。 おそらくゴーンさんは、自分の所得金額についての認識が国税庁との違いがあると意見すると想像しますが、地検が裁判で負けることはありませんので巨額脱税事件となるのは まず間違いないでしょう。
この報道で驚いた方も多いでしょう。僕も驚きました。 でも驚いたのは一瞬でした。
驚いた直後に「やっぱりな」と思いました。「ゴーンさんらしいな」とも思いました。
僕がそう感じる理由は、ゴーンさんが日本にやって来てからの出来事を思い出してのためです。
彼が『顧客の夢を壊してでも私腹を肥やす人』だったのだと感じるからです。
偉大な経営者と評された人の脱税は、人の夢を壊すことになります。
そこいらの中小企業の社長さんが脱税しても「良くないね」と思う程度ですが、過去の一時期にせよ 経営のカリスマとまで評されたゴーンさんのような人が同じ脱税という罪を犯すと、人々は夢を壊された思いがします。
同じ罪であっても、敬服される人だと厳しく世間から非難される理由は、夢を壊すからです。
顧客は夢を壊されることを嫌うのです。
・ ・ ・
評価は人それぞれですが、ゴーンさんは 顧客の夢をなし崩しにすることで日産を立て直したのだと僕は思っています。
企業を立て直すのは素晴らしいことです。 しかし、顧客がつまらなく思う製品や会社にしてしまっては、顧客との夢を共有できません。
思えば、ゴーンさん以外でも 心から顧客のことを想って製品を作る経営者が 平成期にはほぼ不在でした。
平成の前の昭和期には、人間的にも敬服できて、会社経営も成功させたカリスマ経営者が多く居たのです。 経営の神様といわれた松下幸之助さん、町工場から世界に羽ばたいた本田宗一郎さん、世界のソニーを作った井深大さん、海賊と呼ばれた出光佐三さん、酒税の重圧にも負けず洋酒文化を日本に育んだ鳥井信治郎さん … 明治からの方も含まれていますが、昭和期の会社運営で大成功した経営者は、そろって人間力も長けていて、生涯に魅力だったのです。
でも平成期に大躍進したのは、ゴーンさんのように利己的な人ばかりです。「自分が儲かればいいんだ、得をすればいいんだ」という人ばかりです。 お客のことはどうでも良いと思っていた人ばかりです。
平成期にはゴーンさんのように「自分だけが儲かればいいんだ、得をすればいいんだ」という利己的な人が短期間であっても大成功した時代でした。
判断は人にも寄りますが、平成期は どちらかと言うと、利己的な考えの人が儲けてしまった時代だと思います。
孫正義さんも 堀江貴文さん、ZOZOの前澤友作さんも、顧客の夢を叶えようとしているでしょうか。 顧客と夢を共有したでしょうか。
でも「自分が儲かればいいんだ、得をすればいいんだ」という人、結局は世間から残念に思われるのです。
どれだけ年収が高くたって、どれだけ器用に経営する会社を立て直したって、最後には人々からカリスマ的存在と思われないのです。 世間から賢者と認知されないのです。最後には。
なぜでしょうか。
それは自分の夢の達成だけをして、他人様と夢を共有していないからです。
他人様とは、従業員も顧客も含めた多くの人を指します。
・ ・ ・
日本でのゴーンさんのことを思いだし、反面教師としたいものです。
人として本当に大切なものは何かを思いだし、幸福な成功をしたいものです。
* * *
ゴーンさんが日本にやって来たのは 平成11年 (1999’) の春でした。
日産自動車の経営が傾き、資本提携をしているルノーから “コストカッター”として名高いゴーンさんが最高執行責任者(COO)として日産に入社しました。
時はさかのぼって昭和の頃、日産も含めて日本車は世界一でした。 性能、価格、信頼性をトータルで考えると 日本車が世界一でした。 実際、当時の自動車大国アメリカでも日本車が大人気となり、デトロイトを中心に不買運動まで起こったくらい日本車は売れました。 安くても壊れない日本車がアメリカ経済を圧迫したくらい日本車は大成功していたのです。 当時にトランプさんが大統領でなくて良かったです。
しかし、平成3年 (1991’)頃から日本はバブル崩壊となり、経済が厳しくなりました。
製造業に於いては、それまでは『良い物をより安く提供するのが成功の鉄則』だったですが、その鉄則までもが崩壊してしまいました。つまり、良い物をより安くしても黒字にならなくなったのです。 コストまで軽減しないと会社がやって行けなくなってしまったのです。
当時の日産もそういう状況でした。 それなりに人気のある車を高品質低価格で販売していたのですが、業績は傾きました。 その理由は、日産の経営者には 非情な首切りができなかったのです。
しかし、ルノーでもコストカッターとして名高いゴーンさんは、やはりズバッとコスト削減をしました。 主要工場を大胆に閉鎖して、従業員を大幅に依願退職に導いたのです。 外国人の経営者がズバリと日本人従業員を解雇したことは、当時大変なショックでした。 でも「ガイジンだからできることであって、日本人にはきっと出来ないだろう。仕方がない」とも言われたものです。
同時に「日産には未来はない」とも言われた時期でした。 依願退職させられた日産の従業員は 同時に自動車の顧客でもあるのですから、遅くとも5年後には日産の車は売れなくなるぞとも言われたのです。(5年後というのは 2車検目を前にして車を買い換える人が多かったからです)ゴーンさんによって首切りされた人が、また日産車に乗り換えることはあるまい。だから国内の売上げはガクンと下がるだろう。と言われたものでした。
それを気にしてかどうか分かりませんが、ゴーンさんは日本人の機嫌を取ろうとしました。
コストカットで忙しい最中でも日本語を新たに覚え、従業員に懸命に日本語でスピーチしました。 存続させた工場にも足を運びました。 社会人野球の日産チームを応援にグラウンドまで行きました。 自分が外者でないのだと伝えようとしたのです。 仲間だとアピールしたのです。
日産の外にもアピールしました。 テレビにも積極的に出演し、おどけた振りをしました。 たしか日産のファミリーカーのCMにも出演したと記憶します。
頑張って日本人に混じろうとしているように思われました。
その姿は当時の日本人に認められ、数年ではありましたがゴーンさんはカリスマ的存在でもあったのです。「ゴーンさんは一流の経営者だな」とも評価されたのです。
しかし、偽りの愛はいつかはバレるものです。
自社の販売品(つまり日産なら自動車)を愛していない人や、自分たちの仕事を好きでない人は、いつかはバレるのです。
事実、ゴーンさんが世間の人気が衰えたのは、コストカットはしても、夢ある車を作らなかったからです。
GT-Rは確かに夢ある車です。 でも、スカイラインというブランドはズタズタにしてしまいました。
4灯式丸型テールランプがスカイラインらしさだったクルマ好きの夢をゴーンさんは壊してしまいました。
スカイラインのボディーサイズが大きくなったことや、直6エンジンがV型になったのは仕方ありません。衝突安全性を高める時代だったから。
しかし、4灯式丸型テールランプを変更してしまっては、顧客は離れます。 夢を壊されたからです。
ゴーンさんの失敗を見て、顧客の夢を壊してでも 私腹を肥やす人にならないように気をつけたいものです。

# カルロス・ゴーン # 時代を読む # 平成 # 人間力 # 魅力 # カリスマ性
あのカルロス・ゴーンさんが、本日 “容疑者” “逮捕”と報道されました。
正確には、自身の役員報酬を5年間にわたり低く申告していることが内部告発によって発覚し、東京地検が逮捕したのです。
このような脱税に於いては、地検が動く前に 国税庁が追徴課税の勧告を必ずしますので、国税庁との議論があった後での逮捕でしょう。 おそらくゴーンさんは、自分の所得金額についての認識が国税庁との違いがあると意見すると想像しますが、地検が裁判で負けることはありませんので巨額脱税事件となるのは まず間違いないでしょう。
この報道で驚いた方も多いでしょう。僕も驚きました。 でも驚いたのは一瞬でした。
驚いた直後に「やっぱりな」と思いました。「ゴーンさんらしいな」とも思いました。
僕がそう感じる理由は、ゴーンさんが日本にやって来てからの出来事を思い出してのためです。
彼が『顧客の夢を壊してでも私腹を肥やす人』だったのだと感じるからです。
偉大な経営者と評された人の脱税は、人の夢を壊すことになります。
そこいらの中小企業の社長さんが脱税しても「良くないね」と思う程度ですが、過去の一時期にせよ 経営のカリスマとまで評されたゴーンさんのような人が同じ脱税という罪を犯すと、人々は夢を壊された思いがします。
同じ罪であっても、敬服される人だと厳しく世間から非難される理由は、夢を壊すからです。
顧客は夢を壊されることを嫌うのです。
・ ・ ・
評価は人それぞれですが、ゴーンさんは 顧客の夢をなし崩しにすることで日産を立て直したのだと僕は思っています。
企業を立て直すのは素晴らしいことです。 しかし、顧客がつまらなく思う製品や会社にしてしまっては、顧客との夢を共有できません。
思えば、ゴーンさん以外でも 心から顧客のことを想って製品を作る経営者が 平成期にはほぼ不在でした。
平成の前の昭和期には、人間的にも敬服できて、会社経営も成功させたカリスマ経営者が多く居たのです。 経営の神様といわれた松下幸之助さん、町工場から世界に羽ばたいた本田宗一郎さん、世界のソニーを作った井深大さん、海賊と呼ばれた出光佐三さん、酒税の重圧にも負けず洋酒文化を日本に育んだ鳥井信治郎さん … 明治からの方も含まれていますが、昭和期の会社運営で大成功した経営者は、そろって人間力も長けていて、生涯に魅力だったのです。
でも平成期に大躍進したのは、ゴーンさんのように利己的な人ばかりです。「自分が儲かればいいんだ、得をすればいいんだ」という人ばかりです。 お客のことはどうでも良いと思っていた人ばかりです。
平成期にはゴーンさんのように「自分だけが儲かればいいんだ、得をすればいいんだ」という利己的な人が短期間であっても大成功した時代でした。
判断は人にも寄りますが、平成期は どちらかと言うと、利己的な考えの人が儲けてしまった時代だと思います。
孫正義さんも 堀江貴文さん、ZOZOの前澤友作さんも、顧客の夢を叶えようとしているでしょうか。 顧客と夢を共有したでしょうか。
でも「自分が儲かればいいんだ、得をすればいいんだ」という人、結局は世間から残念に思われるのです。
どれだけ年収が高くたって、どれだけ器用に経営する会社を立て直したって、最後には人々からカリスマ的存在と思われないのです。 世間から賢者と認知されないのです。最後には。
なぜでしょうか。
それは自分の夢の達成だけをして、他人様と夢を共有していないからです。
他人様とは、従業員も顧客も含めた多くの人を指します。
・ ・ ・
日本でのゴーンさんのことを思いだし、反面教師としたいものです。
人として本当に大切なものは何かを思いだし、幸福な成功をしたいものです。
* * *
ゴーンさんが日本にやって来たのは 平成11年 (1999’) の春でした。
日産自動車の経営が傾き、資本提携をしているルノーから “コストカッター”として名高いゴーンさんが最高執行責任者(COO)として日産に入社しました。
時はさかのぼって昭和の頃、日産も含めて日本車は世界一でした。 性能、価格、信頼性をトータルで考えると 日本車が世界一でした。 実際、当時の自動車大国アメリカでも日本車が大人気となり、デトロイトを中心に不買運動まで起こったくらい日本車は売れました。 安くても壊れない日本車がアメリカ経済を圧迫したくらい日本車は大成功していたのです。 当時にトランプさんが大統領でなくて良かったです。
しかし、平成3年 (1991’)頃から日本はバブル崩壊となり、経済が厳しくなりました。
製造業に於いては、それまでは『良い物をより安く提供するのが成功の鉄則』だったですが、その鉄則までもが崩壊してしまいました。つまり、良い物をより安くしても黒字にならなくなったのです。 コストまで軽減しないと会社がやって行けなくなってしまったのです。
当時の日産もそういう状況でした。 それなりに人気のある車を高品質低価格で販売していたのですが、業績は傾きました。 その理由は、日産の経営者には 非情な首切りができなかったのです。
しかし、ルノーでもコストカッターとして名高いゴーンさんは、やはりズバッとコスト削減をしました。 主要工場を大胆に閉鎖して、従業員を大幅に依願退職に導いたのです。 外国人の経営者がズバリと日本人従業員を解雇したことは、当時大変なショックでした。 でも「ガイジンだからできることであって、日本人にはきっと出来ないだろう。仕方がない」とも言われたものです。
同時に「日産には未来はない」とも言われた時期でした。 依願退職させられた日産の従業員は 同時に自動車の顧客でもあるのですから、遅くとも5年後には日産の車は売れなくなるぞとも言われたのです。(5年後というのは 2車検目を前にして車を買い換える人が多かったからです)ゴーンさんによって首切りされた人が、また日産車に乗り換えることはあるまい。だから国内の売上げはガクンと下がるだろう。と言われたものでした。
それを気にしてかどうか分かりませんが、ゴーンさんは日本人の機嫌を取ろうとしました。
コストカットで忙しい最中でも日本語を新たに覚え、従業員に懸命に日本語でスピーチしました。 存続させた工場にも足を運びました。 社会人野球の日産チームを応援にグラウンドまで行きました。 自分が外者でないのだと伝えようとしたのです。 仲間だとアピールしたのです。
日産の外にもアピールしました。 テレビにも積極的に出演し、おどけた振りをしました。 たしか日産のファミリーカーのCMにも出演したと記憶します。
頑張って日本人に混じろうとしているように思われました。
その姿は当時の日本人に認められ、数年ではありましたがゴーンさんはカリスマ的存在でもあったのです。「ゴーンさんは一流の経営者だな」とも評価されたのです。
しかし、偽りの愛はいつかはバレるものです。
自社の販売品(つまり日産なら自動車)を愛していない人や、自分たちの仕事を好きでない人は、いつかはバレるのです。
事実、ゴーンさんが世間の人気が衰えたのは、コストカットはしても、夢ある車を作らなかったからです。
GT-Rは確かに夢ある車です。 でも、スカイラインというブランドはズタズタにしてしまいました。
4灯式丸型テールランプがスカイラインらしさだったクルマ好きの夢をゴーンさんは壊してしまいました。
スカイラインのボディーサイズが大きくなったことや、直6エンジンがV型になったのは仕方ありません。衝突安全性を高める時代だったから。
しかし、4灯式丸型テールランプを変更してしまっては、顧客は離れます。 夢を壊されたからです。
ゴーンさんの失敗を見て、顧客の夢を壊してでも 私腹を肥やす人にならないように気をつけたいものです。

大切なあなたが 幸せでありますように。
相談屋さん カフェカウンセリング 横尾けいすけ
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