誰も伝えなかった『アナと雪の女王』の本当のメッセージ(後編)
- 2019/11/21
- 22:00
# アナと雪の女王 # アナと雪の女王 感想 解説 # アナと雪の女王から悟るべきこと# アナと雪の女王2
『アナと雪の女王2』(令和元年11月公開予定)
『アナと雪の女王2』の公開が明日に迫って来ました。
今回の続編は 日米同日公開。 私の地元のマルチシネマでも 迎える日曜日には吹き替え版を10回放映を予定しているとのこと。 初回は09:00から、レイトショーは21:25からというので 子供のためのディズニー映画でないことが伺い知れます。
大人もファンタスティックな世界を楽しむとともに、この映画から幸福になるための術を学びたいものです。
* * *
前回のブログでもお伝えしたように、明日には前作となる『アナと雪の女王』のストーリーから、今回は “もうひとりの主人公”である アナ(Princess Anna of Arendelle)が幸福になってゆく様子を顧みて、『人が幸せになる唯一の方法』を考えたいと思います。
アナは アレンデール王国の第二王女、後に女王(Queen)なるエルサの妹です。
王子と結婚してプリンセスに成ったのではなく、生まれながらのプリンセスです。
民間人の経験がないため、極端な言い方をすれば 本当の苦労や挫折を知りません。
姉のエルサが自身の魔法の力を妹のアナに隠すためにアナを無視した幼少期があったにせよ、あるいは両親の事故死があったにせよ、18歳まで王女として何不自由なく過ごせたのが事実です。
彼女には彼女なりの辛さもあったでしょうが、どちらかと言えば順風満帆な育ちをしたのではないでしょうか。戴冠式の日にはエルサから話し掛けてもらえることにもなりましたし。
しかし、アナの本当の苦難はその戴冠式の日に起こってしまいます。
13年間部屋に引きこもっていたエルサと久しぶりに会えるという興奮がそうさせたのでしょうか、戴冠式の日、アナは大変なハイテンションです。 歌いながら城の外で有頂天となります。 戴冠式でエルサに会えることに興奮する気持ちが転化して、素適な男性と出会える想像にも興奮し始めます。
それは年頃の女性として仕方がないことでしょう。
そんなハイテンションなアナは、サザンアイルズ王国の第13王子であるハンスと出会います。始めはハンスが他国の王子だとは気付かないにせよ、上等な馬を従えた品のある言動のハンスにアナの心は時めきます。 そして数時間後には二人でパーティーを抜け出し、ハンスの求婚を一言返事で受け入れます。 今先ほど会ったばかりでキスもしてしまいます。
アナは世間知らずのお嬢様ですから一目惚れする気持ちも分かりますが、婚約を結んでしまうのはどうでしょうか。 会ったばかりの人とキスをしたりそれ以上の行為をしたりする女性がどうとは言いませんが、婚約までしてしまうのはどうでしょうか。 実際に婚約をエルサに報告すると怒られてしまいます。
・ ・ ・
ところで一般的に、年頃の女性は、興奮状態や少しの恐怖感があった時に恋に陥りがちです。 だから男性にとっては、初めてのデートはジェットコースターなどに一緒に乗るのが効果的。スポーツカーでそれなりにスピードを出すのも効果的。 年頃の女性をちょっとした興奮状態にさせると恋が成就しやすいからです。
その理由は、潜在意識が危険状態を察知したときに、一緒にいて 救ってくれたらしき相手が頼れる人と判断するから恋相手として求めるのかもしれません。
ただ気をつけたいのは、程々のハイテンションな状況を選ぶことです。
ジェットコースターなら有りですが、例えばオバケ屋敷ではやり過ぎです。 スポーツカーで一度くらいは信号発進を猛スピードにするならともかく、峠道をドリフト走行したり 高速道路を制限速度の倍で走るのは、女性が恋に落ちるどころか引かれるしまうでしょう。
程々であり、しかも女子にとって初めての興奮状態の共有が、年頃の女の子の潜在意識は生殖相手として好むようです。
(あくまでも無意識の感情であり、理性的な好みのタイプではありませんが)
・ ・ ・
アナにとって、このエルサの戴冠式の日は程々の興奮状態の連続でした。 13年ぶりにエルサと会えること、ハンスの馬のせいで夏の湖に落ちそうになったこと、そのハンスが実は他国の王子で紳士のように感じたこと、パーティーを二人で抜け出すという冒険をしたこと、月の夜空でキスをしたことなどのちょっとした興奮状態が彼女を恋に陥れたのだと思いますが、これが所謂 “恋は盲目”となり 姉のエルサに怒られる結果となります。
冷静さを失った恋心は一般的に素適です。 小説や映画、歌謡曲でも急速な恋心が頻繁に描かれるのは多くの人が(多くの人の潜在意識が)それを好んでいるのでしょう。
しかし実生活では、恋は盲目と言われるように、二人には素晴らしい状態が他人様 (ヒトサマ)には迷惑になることが多いのです。
この映画でもアナはエルサに怒られてしまいますし、ハンスがアナと利用してアレンデール王国を乗っ取ろうという邪な気持ちに、アナは気付かないのです。
エルサやアナが追い出されたり、アレンデール王国が乗っ取られてしまったら大変です。
これは酷な言い方になりますが、アナのハンスに対する対応がもう少し理性的だったら、ハンスの企ては無かったかもしれません。アナに対する純粋な恋心で終始したかもしれません。
事実、始めて二人が会った時のハンスの表情には 全くやましい様子がないのです。
その後に戴冠式会場で会った時にも悪だくみが表情に描かれず、「結婚したい」という内容の歌を二人で歌ったあたりからやましい様子になってきます。
アナが誘惑したから悪いとは言いませんが、アナの隙だらけのお姫様育ちが、13人兄弟の末っ子であるハンスの野心を目覚めさせてしまったでしょうか。
物語の終盤では、結局のところハンスに真実の愛がなかったためにアナに罹った魔法は溶けぬばかりか「姉のエルサを追い出し、君(アナ)が死ねばアレンデール王国は僕のもの」とまで言われてしまいます。 恋に破れたばかりか、姉妹そろって殺されそうになり国を乗っ取られそうになり、アナは散々です。
どうしてこんなことになってしまったのでしょう。そしてどうすればこのような男を選ばなくて済んだのでしょうか。
それを「冷静な、客観的な眼で相手を判断すべき」と教える指導者も居るかもしれませんが、私は別の観点に気付くことを推奨します。
それはオラフがアナに主張した「愛とは、自分のことよりも相手のことを考えることだ」という台詞にヒントがあります。
本来、受け取る愛などありません。 愛を受け取ることはあっても 受け身の愛などないのです。 愛は与えるものであって受け取る愛などなく、そういう状況では「ありがとう」と感謝するべきなのです。
しかし 当時のアナは与える愛を知りませんでした。 愛してくれる人を愛していただけで(あるいは愛してくれる人に甘えていただけで)本当の意味での人を愛する大切さを知りませんでした。
物語では、クリストフとのキスが実は真実の愛だとオラフもアナも確信し、凍り付く寒さの中 アナはクリストフを探します。 しかし、実はクリストフからのキスも魔法を溶く術にはならなかったようです。 なぜならこれもまたアナにとっての受け身の愛だからです。
結局、アナがエルサを命がけで助けたという与える愛(能動的な愛)と、エルサがその直後に凍り付いたアナを抱きしめることでアナの魔法は溶けます。 エルサも魔法の力をコントロールできるようになり、姉妹そろってハッピーエンドでした。
* * *
受け取り愛などないこと。
与えてこそそれが愛だということ。
ご理解いただけたでしょうか。
明日から始まる『アナと雪の女王2』では「なぜ、エルサに(魔法の)力は与えられたのか―。」を探しに、姉妹とその仲間たちが冒険するようです。 ここでも他人様に与える愛がたくさん起こりそうで楽しみです。
『アナと雪の女王2』ホームページ
https://www.disney.co.jp/movie/anayuki2.html
『アナと雪の女王2』(令和元年11月公開予定)
『アナと雪の女王2』の公開が明日に迫って来ました。
今回の続編は 日米同日公開。 私の地元のマルチシネマでも 迎える日曜日には吹き替え版を10回放映を予定しているとのこと。 初回は09:00から、レイトショーは21:25からというので 子供のためのディズニー映画でないことが伺い知れます。
大人もファンタスティックな世界を楽しむとともに、この映画から幸福になるための術を学びたいものです。
* * *
前回のブログでもお伝えしたように、明日には前作となる『アナと雪の女王』のストーリーから、今回は “もうひとりの主人公”である アナ(Princess Anna of Arendelle)が幸福になってゆく様子を顧みて、『人が幸せになる唯一の方法』を考えたいと思います。
アナは アレンデール王国の第二王女、後に女王(Queen)なるエルサの妹です。
王子と結婚してプリンセスに成ったのではなく、生まれながらのプリンセスです。
民間人の経験がないため、極端な言い方をすれば 本当の苦労や挫折を知りません。
姉のエルサが自身の魔法の力を妹のアナに隠すためにアナを無視した幼少期があったにせよ、あるいは両親の事故死があったにせよ、18歳まで王女として何不自由なく過ごせたのが事実です。
彼女には彼女なりの辛さもあったでしょうが、どちらかと言えば順風満帆な育ちをしたのではないでしょうか。戴冠式の日にはエルサから話し掛けてもらえることにもなりましたし。
しかし、アナの本当の苦難はその戴冠式の日に起こってしまいます。
13年間部屋に引きこもっていたエルサと久しぶりに会えるという興奮がそうさせたのでしょうか、戴冠式の日、アナは大変なハイテンションです。 歌いながら城の外で有頂天となります。 戴冠式でエルサに会えることに興奮する気持ちが転化して、素適な男性と出会える想像にも興奮し始めます。
それは年頃の女性として仕方がないことでしょう。
そんなハイテンションなアナは、サザンアイルズ王国の第13王子であるハンスと出会います。始めはハンスが他国の王子だとは気付かないにせよ、上等な馬を従えた品のある言動のハンスにアナの心は時めきます。 そして数時間後には二人でパーティーを抜け出し、ハンスの求婚を一言返事で受け入れます。 今先ほど会ったばかりでキスもしてしまいます。
アナは世間知らずのお嬢様ですから一目惚れする気持ちも分かりますが、婚約を結んでしまうのはどうでしょうか。 会ったばかりの人とキスをしたりそれ以上の行為をしたりする女性がどうとは言いませんが、婚約までしてしまうのはどうでしょうか。 実際に婚約をエルサに報告すると怒られてしまいます。
・ ・ ・
ところで一般的に、年頃の女性は、興奮状態や少しの恐怖感があった時に恋に陥りがちです。 だから男性にとっては、初めてのデートはジェットコースターなどに一緒に乗るのが効果的。スポーツカーでそれなりにスピードを出すのも効果的。 年頃の女性をちょっとした興奮状態にさせると恋が成就しやすいからです。
その理由は、潜在意識が危険状態を察知したときに、一緒にいて 救ってくれたらしき相手が頼れる人と判断するから恋相手として求めるのかもしれません。
ただ気をつけたいのは、程々のハイテンションな状況を選ぶことです。
ジェットコースターなら有りですが、例えばオバケ屋敷ではやり過ぎです。 スポーツカーで一度くらいは信号発進を猛スピードにするならともかく、峠道をドリフト走行したり 高速道路を制限速度の倍で走るのは、女性が恋に落ちるどころか引かれるしまうでしょう。
程々であり、しかも女子にとって初めての興奮状態の共有が、年頃の女の子の潜在意識は生殖相手として好むようです。
(あくまでも無意識の感情であり、理性的な好みのタイプではありませんが)
・ ・ ・
アナにとって、このエルサの戴冠式の日は程々の興奮状態の連続でした。 13年ぶりにエルサと会えること、ハンスの馬のせいで夏の湖に落ちそうになったこと、そのハンスが実は他国の王子で紳士のように感じたこと、パーティーを二人で抜け出すという冒険をしたこと、月の夜空でキスをしたことなどのちょっとした興奮状態が彼女を恋に陥れたのだと思いますが、これが所謂 “恋は盲目”となり 姉のエルサに怒られる結果となります。
冷静さを失った恋心は一般的に素適です。 小説や映画、歌謡曲でも急速な恋心が頻繁に描かれるのは多くの人が(多くの人の潜在意識が)それを好んでいるのでしょう。
しかし実生活では、恋は盲目と言われるように、二人には素晴らしい状態が他人様 (ヒトサマ)には迷惑になることが多いのです。
この映画でもアナはエルサに怒られてしまいますし、ハンスがアナと利用してアレンデール王国を乗っ取ろうという邪な気持ちに、アナは気付かないのです。
エルサやアナが追い出されたり、アレンデール王国が乗っ取られてしまったら大変です。
これは酷な言い方になりますが、アナのハンスに対する対応がもう少し理性的だったら、ハンスの企ては無かったかもしれません。アナに対する純粋な恋心で終始したかもしれません。
事実、始めて二人が会った時のハンスの表情には 全くやましい様子がないのです。
その後に戴冠式会場で会った時にも悪だくみが表情に描かれず、「結婚したい」という内容の歌を二人で歌ったあたりからやましい様子になってきます。
アナが誘惑したから悪いとは言いませんが、アナの隙だらけのお姫様育ちが、13人兄弟の末っ子であるハンスの野心を目覚めさせてしまったでしょうか。
物語の終盤では、結局のところハンスに真実の愛がなかったためにアナに罹った魔法は溶けぬばかりか「姉のエルサを追い出し、君(アナ)が死ねばアレンデール王国は僕のもの」とまで言われてしまいます。 恋に破れたばかりか、姉妹そろって殺されそうになり国を乗っ取られそうになり、アナは散々です。
どうしてこんなことになってしまったのでしょう。そしてどうすればこのような男を選ばなくて済んだのでしょうか。
それを「冷静な、客観的な眼で相手を判断すべき」と教える指導者も居るかもしれませんが、私は別の観点に気付くことを推奨します。
それはオラフがアナに主張した「愛とは、自分のことよりも相手のことを考えることだ」という台詞にヒントがあります。
本来、受け取る愛などありません。 愛を受け取ることはあっても 受け身の愛などないのです。 愛は与えるものであって受け取る愛などなく、そういう状況では「ありがとう」と感謝するべきなのです。
しかし 当時のアナは与える愛を知りませんでした。 愛してくれる人を愛していただけで(あるいは愛してくれる人に甘えていただけで)本当の意味での人を愛する大切さを知りませんでした。
物語では、クリストフとのキスが実は真実の愛だとオラフもアナも確信し、凍り付く寒さの中 アナはクリストフを探します。 しかし、実はクリストフからのキスも魔法を溶く術にはならなかったようです。 なぜならこれもまたアナにとっての受け身の愛だからです。
結局、アナがエルサを命がけで助けたという与える愛(能動的な愛)と、エルサがその直後に凍り付いたアナを抱きしめることでアナの魔法は溶けます。 エルサも魔法の力をコントロールできるようになり、姉妹そろってハッピーエンドでした。
* * *
受け取り愛などないこと。
与えてこそそれが愛だということ。
ご理解いただけたでしょうか。
明日から始まる『アナと雪の女王2』では「なぜ、エルサに(魔法の)力は与えられたのか―。」を探しに、姉妹とその仲間たちが冒険するようです。 ここでも他人様に与える愛がたくさん起こりそうで楽しみです。
『アナと雪の女王2』ホームページ
https://www.disney.co.jp/movie/anayuki2.html
大切なあなたが 幸せでありますように。
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