ドラマ『半沢直樹』は、昔話『桃太郎』のようにはならないだろう その2
- 2020/10/04
- 19:00
#半沢直樹 #池井戸潤 #福澤克雄 #堺雅人 #香川照之 #上戸彩 #及川光博 #片岡愛之助 #北大路欣也
9月27日、TBSドラマ『半沢直樹』の最終回が放送されました。 現代日本人の老若男女、大変多くの人の期待を裏切らない終わり方だったのではないでしょうか。
また、この2020年度版は 2013年度版に迫るほどの全編高視聴率で「モンスター・ドラマ」と評されました。
なぜに これほどまでに、ドラマ『半沢直樹』は人々を魅了したのでしょうか。

ドラマ『半沢直樹』は 全編 Paraviで視聴可能です
【 老若男女に愛された ドラマ『半沢直樹』】
ところで、大東亜戦争を境に、日本の庶民文化は大きく変わりました。 ジェネレーションギャップという現象が戦後に突如として生じ始め、昭和晩期から平成期には 当然のごとく老若男女の好みが分かれたのが変貌の特徴です。
江戸時代 明治期なども含めて 戦前までは、大人も子供も女も男も 皆が愛する作品やスターが 一世を風靡したものでした。 皆が美しいと思う 女優 原節子さん出演の映画を 皆が絶賛するというような『共通するスター』の時代が 300年以上続いたのです。

1937年公開の日独合作映画『新しき土』での 女優 原節子さん
しかし戦後になると、今までに無いことが起こりました。 若者の好み、中年の好み、老人の好み、そして男女の好みに ずれが生じ始めました。 ジェネレーションギャップの始まりです。 それは決して悪い事ではなく、日本人が それぞれの好みを自覚し始めたという 自我の創設期なのだと思います。
もちろん、近隣に存在する同世代の仲間の好みに迎合する人が圧倒的に多かったという面で 本当の自我創設文化ではなかったのですが、ジェネレーションギャップという現象が無かった時代に比べれば、好みの個性が発生し始めた時代と言えるのではないでしょうか。
昭和晩期になると、ジェネレーションギャップ、つまり “世代間のずれ”は極まりました。 テレビドラマを例に挙げれば、若者はトレンディードラマと呼ばれる 都会に住む若者の恋愛ドタバタ劇に熱狂しましたが、中年はサスペンス劇場にワクワクし、高齢者は水戸黄門に代表される時代劇が人気で、各世代共通の人気ドラマは 非常に少ないものでした。
所謂 ジェネレーションギャップが明確となった時代が昭和晩期だったのだと判断しますが、老若男女に愛されるものが無い時代は 意外と寂しいものでもありました。
そういう時代に老若男女のヒーローが彗星のごとく現れることもありました。 彗星のごとくというくらいですから、それは稀なことです。
映画やドラマとは関係しないのですが、みんなのヒーローになったのは 横綱 千代の富士です。 皆は「連続優勝の千代の富士が負けるはずはない」と思うのですが、それでも 17:40のテレビの前ではハラハラしながら大相撲の中継を観たものです。
テレビドラマで世代を超えて愛されたのは、田村正和さん主演の『古畑任三郎』だけだと言って良いのだと思います。 ひとつのテレビで、高校生の孫娘と お祖父さんが一緒に楽しめる番組が『古畑任三郎』だったのだろうと記憶しています。
この『半沢直樹』シリーズは、老若男女が好んだという点で、素晴らしい作品だと思うのです。 平成期に 2013年版が、令和に入って 2020年版が、ジェネレーションギャップを打ち砕いて、各世代共有の好みとなったのが ドラマ『半沢直樹』だと思うのです。
・ ・ ・
繰り返しますが、ジェネレーションギャップがあっても良いのだと思いますが、それは各世代それどれに 寂しさを生じるのです。
老人は 若者の好みが分からなくて寂しいですし、男性は 女性の気持ちが理解できなくて寂しい。男の子が分かってくれないことは女の子にとって寂しい。 そういう、深層心理に溜まった枯渇した感情が、『半沢直樹』のような共通の痛快劇で再度結ばれると、人は爽快な気持ちになるのだと思います。
なぜなら ヒトは社会を形成する動物だからです。 根本的には、つまりヒトの潜在意識は、トラの潜在意識のように 孤独を愛していないからです。
ヒトは他人との共通嗜好を求める生き物です。
ジェネレーションギャップ、つまり世代間の好みのずれを 再度シンクロナイズさせた ドラマ『半沢直樹』は、ひとつの世代や性別だけでなく広く愛されることにより近年にない高視聴率番組となったのでしょう。
(つづく)
私のベストシーン『半沢 vs. 大和田 @夜の本店車受け』
ドラマ『半沢直樹』第四話も Paraviで視聴可能
↓




画像は 大和田暁 元常務取締役のtwitterより抜粋
9月27日、TBSドラマ『半沢直樹』の最終回が放送されました。 現代日本人の老若男女、大変多くの人の期待を裏切らない終わり方だったのではないでしょうか。
また、この2020年度版は 2013年度版に迫るほどの全編高視聴率で「モンスター・ドラマ」と評されました。
なぜに これほどまでに、ドラマ『半沢直樹』は人々を魅了したのでしょうか。

ドラマ『半沢直樹』は 全編 Paraviで視聴可能です
【 老若男女に愛された ドラマ『半沢直樹』】
ところで、大東亜戦争を境に、日本の庶民文化は大きく変わりました。 ジェネレーションギャップという現象が戦後に突如として生じ始め、昭和晩期から平成期には 当然のごとく老若男女の好みが分かれたのが変貌の特徴です。
江戸時代 明治期なども含めて 戦前までは、大人も子供も女も男も 皆が愛する作品やスターが 一世を風靡したものでした。 皆が美しいと思う 女優 原節子さん出演の映画を 皆が絶賛するというような『共通するスター』の時代が 300年以上続いたのです。

1937年公開の日独合作映画『新しき土』での 女優 原節子さん
しかし戦後になると、今までに無いことが起こりました。 若者の好み、中年の好み、老人の好み、そして男女の好みに ずれが生じ始めました。 ジェネレーションギャップの始まりです。 それは決して悪い事ではなく、日本人が それぞれの好みを自覚し始めたという 自我の創設期なのだと思います。
もちろん、近隣に存在する同世代の仲間の好みに迎合する人が圧倒的に多かったという面で 本当の自我創設文化ではなかったのですが、ジェネレーションギャップという現象が無かった時代に比べれば、好みの個性が発生し始めた時代と言えるのではないでしょうか。
昭和晩期になると、ジェネレーションギャップ、つまり “世代間のずれ”は極まりました。 テレビドラマを例に挙げれば、若者はトレンディードラマと呼ばれる 都会に住む若者の恋愛ドタバタ劇に熱狂しましたが、中年はサスペンス劇場にワクワクし、高齢者は水戸黄門に代表される時代劇が人気で、各世代共通の人気ドラマは 非常に少ないものでした。
所謂 ジェネレーションギャップが明確となった時代が昭和晩期だったのだと判断しますが、老若男女に愛されるものが無い時代は 意外と寂しいものでもありました。
そういう時代に老若男女のヒーローが彗星のごとく現れることもありました。 彗星のごとくというくらいですから、それは稀なことです。
映画やドラマとは関係しないのですが、みんなのヒーローになったのは 横綱 千代の富士です。 皆は「連続優勝の千代の富士が負けるはずはない」と思うのですが、それでも 17:40のテレビの前ではハラハラしながら大相撲の中継を観たものです。
テレビドラマで世代を超えて愛されたのは、田村正和さん主演の『古畑任三郎』だけだと言って良いのだと思います。 ひとつのテレビで、高校生の孫娘と お祖父さんが一緒に楽しめる番組が『古畑任三郎』だったのだろうと記憶しています。
この『半沢直樹』シリーズは、老若男女が好んだという点で、素晴らしい作品だと思うのです。 平成期に 2013年版が、令和に入って 2020年版が、ジェネレーションギャップを打ち砕いて、各世代共有の好みとなったのが ドラマ『半沢直樹』だと思うのです。
・ ・ ・
繰り返しますが、ジェネレーションギャップがあっても良いのだと思いますが、それは各世代それどれに 寂しさを生じるのです。
老人は 若者の好みが分からなくて寂しいですし、男性は 女性の気持ちが理解できなくて寂しい。男の子が分かってくれないことは女の子にとって寂しい。 そういう、深層心理に溜まった枯渇した感情が、『半沢直樹』のような共通の痛快劇で再度結ばれると、人は爽快な気持ちになるのだと思います。
なぜなら ヒトは社会を形成する動物だからです。 根本的には、つまりヒトの潜在意識は、トラの潜在意識のように 孤独を愛していないからです。
ヒトは他人との共通嗜好を求める生き物です。
ジェネレーションギャップ、つまり世代間の好みのずれを 再度シンクロナイズさせた ドラマ『半沢直樹』は、ひとつの世代や性別だけでなく広く愛されることにより近年にない高視聴率番組となったのでしょう。
(つづく)
私のベストシーン『半沢 vs. 大和田 @夜の本店車受け』
ドラマ『半沢直樹』第四話も Paraviで視聴可能
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画像は 大和田暁 元常務取締役のtwitterより抜粋
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